まだまだ茶ゴケ(珪藻)について考える:茶ゴケを徹底解明?
これまでもさんざ茶ゴケ(珪藻)について考えてきた気がするんですが、知識が増えても茶ゴケは減りません。
当然です。
しかしながら考え続ける事で、悩める茶ゴケ解決のきっかけが何か生まれるかもという一縷の望みをかけて、今日もまた飽きずに茶ゴケについて考えます。
佐藤家水槽これまでの茶ゴケの歴史 ~小さいものから大きなものまで~
リセットのきっかけになった茶ゴケは小さく固着し水槽全体に広がったものでした。
その次に発生した時は小型~中型のもので、それほど付着力が強くないものでした。
次に発生したのは小さいめの茶ゴケで、わりとすぐに大型になりました。
そして今はそのまま大型の茶ゴケが現在進行中です。
つまり 小型→中型→小型→大型 と、繰り返してるわけです。
いやもう茶ゴケ出過ぎ。
光や水流の強さなどによって茶ゴケの大きさが変わるという話と、うちの水槽が水流も照明もほぼ変わってない話をした事があるんですが、やっぱり何かきっかけとか原因があるんじゃないかと思い気になっています。
茶ゴケ(珪藻)の基本構造
茶ゴケは、2枚のガラスの殻で出来ていてその中に細胞があります。
よくお弁当箱のような状態だと言われますね。
そこに無数の小さな穴があいていて、そこから栄養を吸収したり付着するための粘液を出しています。
(因みに珪藻土マットはこの穴に水分が吸収されています)
このガラスの殻の形成の為に窒素・リン・ケイ素・鉄が必要になります。
細胞分裂による小型化
珪藻は初期の無性生殖中はどんどん小型化していきます。
自分のお弁当箱の中で分身を作るので自分より一回り小さくなるわけです。
いわゆるマトリョーシカ状態で、自分の中に小さな分身を繰り返し増えていくので殻も薄く小さくなります。
小型化しばらばらになるものもいれば、小さいもの同士でくっついた状態でどんどんチェーン状になっていくものもあるようです。
ここら辺が小型茶ゴケのあたりかなと勝手に思っています。
立ち上げ初期の頃に出やすいやつですね。
茶色い砂がついたような短く小さいものだと、オトシンは凄い食べてくれます。
ガラス面や葉っぱについた茶ゴケが目に見えてキレイになっていくんじゃないでしょうか。
小型化~受精による大型化
この小型化に限界がくると今度は大きくなる為に有性生殖を始めます。
大きめの細胞が卵に、小さいの細胞から精子に分化され、それが一つになり大きな殻と新たな細胞を作って大型になっていきます。
これが茶ゴケの大型期じゃないかと思っています。
つまりある程度時期が経ってからの水槽に増え易いのではないかと。
珪藻のような単細胞真核生物は、長期の無性生殖期と短期の有性生殖期という成長周期をもっているようなので、大型化するのは早いんじゃないでしょうか。
あまり大型化した茶ゴケだとオトシンは食べられないので、ヤマトやミナミなどエビの力が必要かもしれません。
本当に大きな塊になると固着もしていないですし、人力で除去した方が早い時もありますが。
大型化のきっかけ
こう見ると、一度小型化して大型化するのは自然の流れなんですが、珪藻の事を調べていると基本的には海や川の中の話になるので、この生殖周期は数ヶ月単位や年単位になってしまうんですよね。
(春夏秋冬で流れが変わるので)
水槽内だともっと短期で大型化が起こっているので、何かきっかけあるんじゃないかと思っていたんですが、珪藻の有性生殖の実験の一文に
海水濃度の上昇で卵と精子に分化
というのを見まして。
これじゃね?
海水とは 水:96.6% 塩分:3.4%
この塩分とは主に
塩化ナトリウム:77.9%
塩化マグネシウム:9.6%
硫酸マグネシウム:6.1%
硫酸カルシウム:4.0%
塩化カリウム:2.1%
海水に含まれる主なイオンは
ナトリウムイオン
マグネシウムイオン
カルシウムイオン
カリウムイオン
塩化物イオン
硫酸イオン
だそうです。(省いているものもあります)
もしかすると、水槽内でこれらが上昇した時、水質が悪化、変化した時に有性生殖が始まり急激に大型の茶ゴケが発生する可能性があるのかもしれません。
まとめ
小型の茶ゴケは、窒素・リン酸・ケイ素・鉄のどれかが増えてる可能性があります。
もしくはバランスが悪い状態にある。
大型の茶ゴケが出た場合は、塩分、水槽内でいえばカルシウム系が過多の可能性か、もしくは栄養バランスの悪さによりカルシウム系が余ってしまっているのかも。
強制的に添加しない限りここら辺の栄養素が過剰になる事ってあまりない気がするので、やっぱりバランスでしょうか。
どちらにせよ小型でも大型でも、水質が安定してない事に間違いないので、安定するまでしばし待つか、換水するか、調整剤を入れるか、生体を入れるかですね。
オトシンの茶ゴケハムハムは本当に癒し。