とろみについて考えた結果②:とろみ・油膜・白濁り 全部同じ???
続きです。
とろみについて 良いとろみ・悪いとろみ
とろみとは何なのかについて改めて考えたんですが
水槽内で起こっている現象まとめ 窒素循環・濾過サイクル・立ち上げ
上記の記事で水槽内のとろみは納豆のネバネバであるポリグルタミン酸では?
という話をしていました。
これは佐藤個人的な考え、というか思いつき以外の何物でもないんですがね。
実際にポリグルタミン酸も水の浄化に使用されているようです。
こちらは人工的にフロック化して浄水しているようなので、水槽内で自然にフロック化するかは分かりません。
前回の話だと、バイオフィルムの主成分である、EPS=ムコ多糖類(粘性の多糖類、タンパク質)になりますね。
いわゆるヒアルロン酸です。
こちらはネバネバというよりとろみという感じですね。
上記2つは水の浄化に対するとろみなので、良い作用をしてくれると思うのですが、良くない作用するとろみもあります。
フロック細菌が酸素不足や水質の大幅な変動など極端にストレスがかかると、自己防衛としてタンパク質・高分子多糖類(アラビノース・万ノース)を過剰に代謝し、食物摂取・呼吸を阻害、沈降性が悪化します。
水の浄化にはクロックの凝集性・沈降性が関係しているようなので
フロック活性の悪化=多糖類過剰代謝+クロックの浮遊=とろみ
という事だと思います。
クロックが発生して浄化が始まると酸素が約60%使用されていたという実験があるので、強い水作りに酸素は欠かせないという事ですね。
とろみが発生した時点で溶存酸素を気にするべきかと思いますが、根本原因が酸素不足
ならエアレーションや水流改善はするしかないですよね。
この酸素供給で改善しない場合は、窒素・リン・カリウム・鉄などの栄養源不足の可能性があるので、ちょっと餌とか入れてみましょう。
白濁りについて
上記と同様の事なんですが、フロックの活性が悪いと透過性が悪くなるようです。
白濁りととろみがセットで現れる方もいらっしゃるようですね。
立ち上げ初期や、フィルター交換などで発生する事が多い気がしますが、とにかく浄化(生物ろ過)が進んでいない状態だと思います。
微生物がまだあまりいないという場合もあるかもしれませんが、まだろ過に至っていないという事だと思うので、ひとまず待ってみましょう。
「濁度が最大値に達した時点からフロックは急速に形成された。」
という研究結果の一文があったんですが、これが水槽内でも起こりうるのだとしたら、一旦限界まで白濁りしたら、急速に水が綺麗になるのかもしれません。
(これは佐藤のただの推測ですが)
活性の良い微生物、つまり出来上がった飼育水や調整剤が入ればすぐに綺麗になりそうですけども。
油膜について
ここで油膜の話をしているんですが、色々と話は変わってきますねー。
顕微鏡を持ってらっしゃるアクアリストさんが、油膜を調べた結果バイオフィルムを形成した桿菌だったという記事を見ました。
他の微生物と一緒ではなく桿菌だけの状態だったようです。
「1種類の微生物だけがこれほど大量に増殖するっていう事はバランスが悪い」
と書いてらっしゃいました。
上記の記事で書いた鉄バクテリアのコロニー説は無きにしも非ずですね。
微生物のバランスが悪い状態では強いバイオフィルムにはならないので、不安定になっても(油膜が出ても)おかしくはありません。
顕微鏡がない限り「これは〇〇〇(微生物)だ」と断言するのは難しいかもしれませんね。
それでいうと油膜の有機物説は一体どうなるんでしょうか。
うーん、これはちょっと分かりません。
まとめ
浄化水槽のプロの方は「微生物が有機物と酸素を摂取してスムーズに代謝できればバランスは崩れません」と言っています。
私たちが生体にご飯をあげるように、微生物にもきちんとご飯をあげれば良いんだと思います。
…でも微生物さんたち減ったり増えたり激しいんで難しいっす。
ちなみにこのバイオフィルムを作るズーグレア細菌さんは、他の微生物が分解できない粒子やゴミも取り込んで除去してくれる働きがあるので水が綺麗になります。
バイオフィルムの活性が進むと更にピカピカの飼育水になるわけですね。
しかし水の浄化は沈殿によって行われるので、底床の掃除は必要なのかなと思います。
とろみと糸状バイオフィルムを越えてお水がピカピカになってきましたー。
あせってフィルター替えなくてよかったー。